東京視察
岐阜県議会議員となって初めて東京に視察に行って参りました。
今回の視察では、退職してからの1年半で日本の先端産業がどの様に動いているかをテーマに視察先を選定致しました。
内容の全ては記載出来ませんが、記載できる範囲で今後の岐阜県のテーマとも絡めて考えたことを残します。
JAXA
・各務原市の航空宇宙産業の発展に繋げる為に、日本の宇宙産業を引っ張るJAXAさんのX-NIHONBASHIオフィスを訪問。
・JAXAとしては初めて中期計画に「産業振興」を掲げ、民間企業との連携を推進中。
・一方どの様なデータや技術が民間企業と連携出来るかは模索中であり、日本橋にコワーキングスペースを設けて新規事業を推進しているところ。
・岐阜かかみがはら航空宇宙博物館との連携は勿論、惑星探査機や民間ロケット等の開発に岐阜県の航空宇宙産業とコラボ出来ないか検討したい。
・(余談)JAXAさんに自己紹介をしたところ、「岐阜県議会議員が来ると聞いて、間違いなく各務原市の方だと思ってました。JAXAで各務原市を読めない人はいませんよ」と感激の言葉を頂きました。
産業用ドローン
・航空宇宙産業の街として、同じく空を舞台とするドローンとの連携を模索して、日本で唯一スマート農業事業としてドローンを実用化しているSkymactis社を訪問。
・ドローンメーカーでは無く、あくまでドローンから撮影されたデータを解析する技術がウリ。
・スマート農業実現に向けて、葉物野菜を中心に生育確認や農薬散布等を実用化。
・スマート農業のみならず、山の多い岐阜県では災害対策、土砂崩れ、河川氾濫等の確認に使えるのではないかと提案。
・併せて林業の視点から山林管理や生育確認等にも展開出来ないか意見交換。
遠隔操作ロボット
・岐阜県でも人手不足の解消や生産性向上が喫緊の課題の為、ミリ単位で人間の動きをコピー出来る遠隔操作ロボット開発のテレイグジステンス社を訪問。
・人の動きをコンマ数秒で再現出来る技術がウリ。
・事業化に向けてこのロボットをどの分野で活用出来るかは模索中。
・ベンチャー企業共通の課題として、デモ機を製作する為の少ロッド発注の苦労や、自治体のベンチャー支援策の有り難みをヒアリング。
・岐阜県にも日本唯一の技術を持った企業が沢山ある中で、こうした東京のベンチャー企業の課題解決に向けたマッチングや、ベンチャー支援や誘致策を検討すれば人が集まってくる可能性があると考える。
ベンチャー企業支援
・開業、創業サポート、コーチング、地方創生を行なっているココトレック社と打ち合わせ。
・東京から見た地方創生で出来ることや、岐阜から見た需要の意見交換。
・IoT、AI(人口知能)、ビックデータ、宇宙開発等、世間に言葉が溢れている割には事業化が難しいこと。頭で考えてることを行動に移していく人が実際には少ない現状をヒアリング。
・東京で何かやりたいけど踏み出せない人を岐阜の技術を持った企業と結ぶことでの具体的に事業化する仕組み作り等は面白いと感じた。
オンデマンドバス
・バスや電車等公共交通機関の問題は岐阜県全域で起こっている課題であり、その1つの解決策として日本で唯一福岡で有料事業化しているオンデマンドバスの状況のヒアリング。
・自動運転の実現にはまだまだ制度整備に時間がかかる為、スマホや電話で必要な時に家の近くにバスを呼ぶオンデマンドバスという仕組みを導入。
・バス停よりも細かく乗降場を作り、アプリでバスを呼び、行きたい地点や他の乗客のピックアップを人口知能で最適ルートを作成する仕組み。
・タクシー運転手でも運転出来る小型バンタイプの車両を使って、バスとタクシーの間のニーズを汲み取る。
・岐阜県においてもバスの路線廃止で困っている地域や、タクシーは高額で使いにくいというニーズに合う仕組みだと感じた。
スマートハンティング(狩猟)
・猪による豚コレラ拡大が大きな問題となる中で、現状猟友会の方の人手頼みとなっている猪捕獲の効率化について意見交換。
・遠隔操作での捕獲や、捕獲地点のタイムリーな連絡がウリ。
現状猟友会にて歩いて罠を確認する手間を大幅に簡略化。
・今後の岐阜県に導入出来ないかも含めて引き続き意見交換したい。
退職してからの1年半でも世の中の技術開発が大きく進んでいることを実感した。
またその技術の実用化に向けて政治行政でサポート出来る部分も沢山あると分かった。
岐阜県としてこういったチャレンジを推進して、人や企業が集まってくる仕組みを考えて行きたいと思った東京視察でした。
平野祐也を育てる会